高齢猫の心臓病の主な症状

🫀猫の心臓病について

猫の心臓病は、猫心筋症とも呼ばれ、さまざまな形で現れます。肥大型心筋症 (HCM) は最も一般的なタイプで、心筋が厚くなるのが特徴です。この心筋の肥厚により、心臓が血液を効果的に送り出す能力が低下します。その他の形態には、拡張型心筋症 (DCM) や拘束型心筋症 (RCM) があり、それぞれ心臓の構造と機能に異なる影響を与えます。

高齢の猫は特に心臓病を発症しやすいです。早期発見には定期的な獣医の診察が不可欠です。これらの診察には、心臓の雑音や異常なリズムがないか聴診することも含まれます。

⚠️注意すべき一般的な症状

1. 呼吸困難

猫の心臓病の最も警戒すべき兆候の 1 つは、呼吸困難です。これは、速くて浅い呼吸、または苦しい呼吸として現れます。猫がハアハアと息をしている (これは猫科動物としては珍しい) ことに気づいたり、呼吸を楽にするために首を伸ばしたりしていることに気付くかもしれません。

猫の呼吸音をよく聞いてください。ゼーゼー音やパチパチ音は、心臓病の一般的な合併症である肺に水が溜まっていることを示している可能性があります。呼吸困難に気づいたら、すぐに獣医の診察を受けてください。

2. 無気力と衰弱

心臓病を患っている猫は、エネルギーレベルが低下することがよくあります。通常よりも長く眠ったり、以前は楽しんでいた遊びや活動に消極的になったりすることがあります。この無気力は、心臓が体全体に酸素を効率的に循環できないために生じます。

衰弱も顕著な症状となることがあります。猫は家具に飛び乗るのに苦労したり、倒れたりすることがあります。エネルギー レベルの突然の変化や衰弱の兆候がある場合は、獣医による診察が必要です。

3. 咳

猫の場合、犬ほど一般的ではありませんが、特に肺に水分が溜まっている場合は、咳が心臓病の症状である可能性があります。咳は乾いたものや痰を伴う場合があります。咳の頻度と程度を記録し、獣医師に報告してください。

心臓関連の咳を、呼吸器感染症や喘息などの他の原因と区別することが重要です。獣医による診察は、咳の根本的な原因を特定するのに役立ちます。

4. 食欲不振

食欲が減退したり、まったく食べなくなったりするのは、心臓病などの根本的な健康問題の兆候である可能性があります。食欲減退は、吐き気、疲労、または腹部の水分蓄積が原因で消化器官に圧力がかかる可能性があります。

猫の食事摂取量を注意深く監視してください。猫がいつもより食べる量が少ない、または食事を抜くことが頻繁にある場合は、獣医に相談してください。体重減少は、食欲減退によく伴うもう 1 つの懸念すべき兆候です。

5. 心拍数とリズムの変化

心臓病は正常な心拍数やリズムを乱すことがあります。獣医師は身体検査中に聴診器で猫の心臓の音を聞くことで、これらの変化を検知できます。血流の乱れによって生じる異常な音である心雑音が聞こえることもあります。

不整脈と呼ばれる不規則な心拍リズムも検出されることがあります。これらの異常は心臓に根本的な問題があることを示している可能性があり、心電図 (ECG) などの追加の診断検査が必要になる場合があります。

6. 失神または虚脱（失神）

失神または虚脱発作は、心臓が脳に十分な血液を送り出せない場合に起こることがあります。これらの発作は短時間で、脱力やめまいが先行する場合があります。失神は、直ちに獣医の診察を必要とする深刻な症状です。

失神した後は猫を注意深く観察してください。失神の持続時間、先行する症状、その後の猫の行動を記録してください。この情報は、獣医師が根本的な原因を診断する際に役立ちます。

7. 腹部の腫れ（腹水）

腹水として知られる腹部の体液蓄積は、心不全の結果として発生することがあります。腹部は膨張または膨満しているように見えることがあります。この体液蓄積は、心臓が効果的に血液を送り出すことができないために発生し、血管内の圧力が上昇し、腹腔内に体液が漏れ出します。

猫の腹部が突然大きくなったことに気づいたら、すぐに獣医に相談してください。腹水は不快な症状を伴う場合があり、進行した心臓病を示している可能性があります。

8. 歯茎や舌が青みがかる（チアノーゼ）

歯茎や舌が青みがかった色に変色する症状はチアノーゼと呼ばれ、血液中の酸素が不足していることを示します。これは重篤な症状であり、すぐに獣医の診察を受ける必要があります。チアノーゼは、心臓が十分な酸素を含んだ血液を体に送り出すことができない場合に発生します。

猫の歯茎を定期的にチェックしてください。ピンク色で湿っている必要があります。青みがかっていることに気づいたら、緊急に獣医の診察を受けてください。

9. 突然の後肢麻痺

あまり一般的ではありませんが、突然の後肢麻痺は猫の心臓病の悲惨な症状である可能性があります。これは多くの場合、心臓で形成された血栓が後肢に血液を供給する動脈に移動し、血流を遮断することによって発生します。大動脈血栓塞栓症 (ATE) または鞍型血栓として知られるこの症状は、非常に痛みを伴い、すぐに獣医の介入が必要です。

猫が突然後ろ足を動かすことができなくなり、痛みの兆候を示し、足が冷たくなった場合は、すぐに緊急の獣医治療を受けてください。

10. 行動の変化

行動の微妙な変化は、心臓病の初期兆候である場合があります。猫は、より内向的になったり、イライラしたり、不安になったりすることがあります。また、睡眠習慣や毛づくろいの習慣に変化が見られる場合もあります。異常な行動パターンには注意し、獣医師に相談してください。

こうした行動の変化は微妙で見落とされやすいかもしれませんが、根本的な健康問題に対する貴重な手がかりとなることがあります。

🐾診断と治療

猫が心臓病にかかっている可能性があると疑われる場合は、すぐに獣医の診察を受けることが重要です。獣医は心臓や肺の音を聴くなど、徹底した身体検査を行います。診断検査には次のようなものがあります。

• 心エコー検査：心臓の構造と機能の詳細な画像を提供する心臓の超音波検査。
• 心電図（ECG）：心臓の電気的活動を測定する検査。
• レントゲン写真（X線）：心臓と肺の大きさと形を評価します。
• 血液検査:全体的な健康状態を評価し、他の病気の可能性を除外します。

猫の心臓病の治療法は、病気の種類と重症度によって異なります。一般的な治療法は次のとおりです。

• 薬物療法:体液の蓄積を減らす利尿剤、血圧を下げる ACE 阻害薬、心拍数を遅くするベータ遮断薬など、症状を管理します。
• 食生活の変更:体液貯留の管理には、低ナトリウム食が推奨される場合があります。
• 酸素療法:重度の呼吸困難の場合に必要な場合があります。